論考
ビットコインを市場・経済・社会の側から読む考察記事です。カテゴリごとに、新しい記事のあるカテゴリから並べています。
ビットコインを市場・経済・社会の側から読む考察記事です。カテゴリごとに、新しい記事のあるカテゴリから並べています。
実質金利からデカップリングしたゴールド価格
2021年までの実質金利との関係が続いていれば、金は678ドルのはずだった。実際は4,180ドル。それでも週ごとに見ると、金はいまも金利に反応している。二本の線を分けた買い手を年ごとにたどり、以前の記事の二つの読み方がいつ当てはまったのかを確かめる。
米財務省のTGAはビットコイン価格を押し上げるのか
米財務省が買い戻しの原資をTGA(政府一般口座)に求める可能性に言及した。中立だったはずの操作がQEと機能的に等しくなる仕組みと、FOMCを経ずに緩和を作れるという政治的含意を追う。
BlackRockが再提示するビットコインの投資テーゼ
2026年8月付のBlackRockのホワイトペーパー「Re-Underwriting Bitcoin」を読み解きます。53%の下落をレバレッジ清算とフローの逆転で説明したうえで、1〜2%配分の推奨は維持されました。
FIMAレポの「money printing」はビットコインに効くのか
アーサー・ヘイズ氏が「Yen Quake」で描いた、円買い介入を入口にFRBが通貨を創造するシナリオを検証します。方向には同意しつつ、持続性・規模・円高の3点で割り引きます。
パワーローから予測するビットコインの未来の姿
15年破られていないパワーローの線が、2026年後半に初めて本気で試されている。線が続くために何が起きなければならないのか、当たった世界はどう見えるのかを考える。
ビットコインの4年サイクルは本当か──再現確認の結果とその解釈
Xで拡散する「4年で一巡する」チャートを自分のデータで引き直すと、周期は本物だが、上げ幅は毎回縮んでいた。
いちばんわかりやすいビットコインの説明
2018年10月、米上院銀行委員会の公聴会でCoin Centerのピーター・ヴァン・ヴァルケンバーグが行った5分間の冒頭陳述。技術の話を一切せず、ビットコインを「決済のための公共インフラ」と位置づけ、Equifax・SWIFT・乗っ取られたJeepという単一障害点の失敗を並べる。8年経っても引用され続ける説明を、抜粋と要約で読む。
ビットコインETFは誰に届くチャネルなのか
13F開示に現れる機関の保有は米国現物ETF全体の20.8%で、残りの8割は個人。ETFが作ったのは新しい買い手ではなく、証券アプリ・アドバイザー口座・退職口座という既存の経路への配線だった。どの経路がどこまで開いたかを公開データで読む。
ディベースメント取引とは何か──金利とゴールド・ビットコインが同時に上がる
2024年秋、利下げ開始後の金利上昇とドル高のなかでゴールドが史上最高値を更新した。この謎を通貨への不信で説明する診断がディベースメント取引という名前で広まったが、ゴールドの買い手が変わっただけという対抗解釈も生きている。どちらであっても、見えているのはドルからの静かな退避で、この物語はまだ続いている。
アメリカ政府はSBRでビットコインを買うのか
トランプが再び口にした戦略ビットコイン備蓄を、同じ政権のステーブルコイン政策と並べて評価する。ドルに奉仕するステーブルコインには国家の自己利益が乗り、SBR には乗っていない。この非対称が、リップサービスと実体の境界を引いている。
「貨幣の希薄化」というビットコインより古い物語
希薄化への警戒は一世代の周期で燃えては消えてきた。1971年の成立、四半世紀の不在、2008年の復活、2024年の命名までを辿り、ビットコインは物語の作者ではなく最新の乗り物だと位置づける。
ビットコインに担保市場は生まれるか
ETF もカストディも整った一方で、資産を担保に借り、資産を貸す市場の層だけが空いている。何がその層を止めているのかを、バーゼル規制とゴールドとの比較からたどる。
分析的ナラティブで読むビットコインの国家間ゲーム
「ビットコインは国際的に受容されるのか」という問いを、分析的ナラティブ(Bates, Weingast ら)とゲーム理論、およびパットナムの2レベルゲームを道具として扱います。第1部で道具立てを整理し、第2部でドル覇権国・非同盟国・中立国の三者ゲームを組み立てます。ドル建てステーブルコインが実は「凍結できるドル」であること、そのためにドル覇権国自身がビットコインの準備資産化に向かうこと、帰結として分断がプロトコル層ではなくコンプライアンス層で起きること——を導きます。
ビットコインは何回死ぬのか──ナラティブの死と、そのあとに残るもの
ビットコインには何度も物語が与えられ、そのたびに死んできた。デジタルゴールド、インフレ・ヘッジ、クリーンエネルギーの起爆剤、価値のインターネット——いずれも検証の局面で剥がれ落ちた。それでも対象そのものは消えない。この文章は、ビットコインを「人工的な自然物」、すなわち設計されたにもかかわらず誰の意志でも止められなくなったものとして捉え、死んだ物語を一つずつ確認したうえで、金融の外側(地政学)から立ち上がりつつある次の物語——「止められない送金手段」——を検討します。
ストラテジーの永久優先株を分解する
ビットコインしか持たない会社が、どうやって満期のない証券で年8%から12%の固定利回りを約束できるのか。約束の法的な性質、支払いの原資、180年におよぶ設計の系譜の三つに分解し、STRCの額面維持設計をオークションレート証券の前例と並べて評価する。
ストラテジーはただビットコインを買っているだけなのか
「調達した金でBTCを買っているだけ」という定番の批判を三つの主張に腑分けし、「事業はバランスシートの負債側にある」という反論がどこまで通り、どこで効かなくなるかを測る。セイラーの自己規定(ビットコイン銀行、ビットコインの証券化)の変遷を挟み、最後に批判を最も強い形に鍛え直す。
ストラテジーは何を売ってビットコインを買ってきたか
自己資金の退避に始まり、転換社債、担保付き借入、巨大ATM、永久優先株を経て、2026年の「調達はするが買わない」まで。6年間の調達手段の変遷を時系列で辿り、切り替わりを貫く原理を取り出す。
ストラテジーはなぜ金利0%で10億ドルを借りられたのか
無配の会社が10億ドルをクーポンなしで借りる。転換社債を債券とオプションに分解し、買い手である転換アービトラージの実務から「金利の代わりにボラティリティを払う」調達の仕組みを説明する。成立の四条件と、後発DATが模倣に失敗する理由まで。
ビットコインが金になった日のストラテジー
価格は長期で上がり、ボラティリティはゴールド並みに下がる。セイラー自身が布教するその未来は、現在のストラテジーの事業を殺す未来でもある。成熟が殺すものと与えるものを確認し、転換の選択肢を四つ並べ、セイラーの語りの変遷をこの問いへの先回りの回答として読み直す。
日本のDATは何を模倣したのか
2025年に相次いだ日本のビットコイントレジャリー企業を、「BTCを買う企業か、BTCの特性から金融商品を作って売る企業か」という物差しで評価する。物語だけを買った企業、機構まで移植したメタプラネット、そして日本にだけあった歪みの寿命について。
OCC、GENIUS法の最終規則を11月までに公表へ
Gould通貨監督官がJackson Holeで表明。法定期限の2026年7月は既に徒過しており、施行日まで準備期間は2か月しか残らない。新規銀行免許の申請40件のうち23件がデジタル資産関連。
米SEC、クリプト向け資金調達ルール「Regulation Crypto Assets」を提案
SECが1933年証券法の登録義務に対する2つの免除と、トークンを投資契約から切り離すセーフハーバーを柱とする規則案を採択。パース委員の賛成声明を読み解く。
ヨーロッパの暗号通貨規制MiCAとは
EU が世界に先駆けて作った暗号資産の包括規制について、三層構造の分類から2026年7月の完全施行、ステーブルコイン市場の再編、MiCA 2.0 の論点までを整理する。
CLARITY法案はなぜ止まっているのか
上院で停滞するCLARITY法案について、民主党の反対の力学と「先延ばしは国益を損なう」という反論への応答を一本にまとめた約4,300字の公開用統合版。
CLARITY法案が不成立に終わったとき、アメリカの金融はどうなるか
GENIUS法によってステーブルコインの合法化はすでに終わっており、CLARITY法案が争うのは資本市場レイヤーだけである。可決される場合と不成立に終わる場合、それぞれで何が変わり何が変わらないかを見立てる。
CLARITY法案の神話と事実
推進側の業界団体 CCI が、CLARITY法への批判を「神話」として並べ反論したファクトシートの抄訳。9つの反論を読み比べると、力の入り方の差が上院での争点を浮かび上がらせる。
支持表明が下落させた CLARITY 法案成立の確率
2026年7月16日、マーク・ワーナー上院議員は CLARITY 法案を支持すると述べた。その翌日、予測市場の成立確率は35%へ下がった。
CLARITY法案がビットコイン市場に与える影響
CLARITY法案はビットコインを取り巻く金融環境を合法化する土台だが、ビットコイン自体は何も変えない。市場が囃す強気のナラティブを三つ検証し、短期の資金流入への過度な期待を戒める。